Site Meter
【産業動向】エヌビディア、中国Signalwingと基地局共同開発 現地メディア
2026-08-10 11:15:38
中国メディア『界面新聞』は2026年8月6日付で、AI(人工知能)GPU最大手の米エヌビディア(NVIDIA)が通信キャリア市場への参入を加速しており、通信接続機能とAIコンピューティング(演算)能力を兼ね備えた次世代型6G AI-RAN基地局を開発するため、中国で提携先となる基地局メーカーを急ピッチで探しているとの情報が、中国の通信産業チェーンに広がっていると報じた。広東省深センに本社を置くSignalwing(佳賢通信)が有力候補に挙がっているという。


界面新聞は複数の通信産業業界筋の話として、エヌビディアが2027〜2028年にかけて、海外市場で試験ネットワークの導入を目指していると報じた。AI処理能力がデータセンターから端末やエッジ環境へ広がる中、新たな分散型コンピューティング拠点として基地局を活用するのが狙い。今後、AIの利用範囲がスマートフォンや産業機器、IoT端末等へ拡大するにつれ、大規模データセンターのみならず、通信ネットワークの末端に配置するエッジAIインフラが重要になるとの考えがあるという。

エヌビディアに詳しいある業界筋は、AI基地局は、エヌビディアにとってデータセンター向けAI半導体事業に続く重要な成長分野になる見込みだと指摘。これまで「AI 1.0」(AI時代の初期)の段階では、コンピューティング能力は主にクラウド上の大規模データセンターに集中していたため、エヌビディアは大量のGPUを販売したが、AIアプリケーションが「AI 2.0」(実用化)段階に入るにつれ、今後のAIインフラは、データセンター、エッジサーバー、基地局等を組み合わせた分散型コンピューティングネットワークへ発展するものとエヌビディアが見ているとした。特に海外市場では、大規模データセンター建設に必要な電力や設備面の制約がある地域も多いことから、通信インフラを活用した分散型AI基盤が重要な役割を果たすとの認識だという。

この業界筋はまた、中国以外の国・地域では基地局の製造・組立・テストする完全な能力が既に失われていると指摘。通信機器の欧州大手ノキア(Nokia)、エリクソン(Ericsson)も製造は中国LUXSHARE(立訊精密)や台湾フォックスコン(FOXCONN=鴻海精密=ホンハイ)の中国子会社FII(工業富聯)の中国工場に依存しているとした。また、中国にはこれら分野における長年にわたる技術の蓄積と人材の基盤があり、広東省の深センと東莞、上海、四川省成都に通信機器関連の産業クラスターが形成されている等、エヌビディアがAI-RAN戦略を推進する上で、これら中国の通信産業チェーンは重要なパートナーになると述べた。

その上で、エヌビディアの基地局ビジネスの有力候補に挙がっているSignalwingについて同筋は、深センを拠点とする同社が2025年からエヌビディアとの協議を開始しており、現在はAI-RAN基地局の共同開発に向けた専門チームを設置していると指摘。チームには、エヌビディア側からシンガポール、香港、中国国内の拠点からメンバーが参加しており、同社のGPU及びCUDAソフトウェアエコシステムを活用した次世代通信設備の研究・開発(R&D)を進めているとした。

提携方式については、エヌビディアが基地局の完成品を直接製造・販売するのではなく、GPUチップと技術エコシステムを提供、SignalwingがGPUを調達して基地局を開発し、完成後に海外市場へ展開する形になるとした。

界面新聞によると、うわさについてSignalwingの広報担当は8月5日、「2026年末にはAI基地局のプロトタイプが完成する予定であり、検証を通過すれば1~2年以内に市場に投入する。将来的には、海外展開を目的とした共同出資会社の設立も排除しない」とのコメントを出した。

【関連情報】

【産業動向】エヌビディア、ノキアに10億米ドル出資で6G共同開発 市場注目の台湾3社
【EMS/ODM】インテル、中国LUXSHARE子会社に出資 データセンター向け通信で協働か 中国報道
【産業動向】台湾中華電信、エリクソンとノキアからBeyond 5G基地局装置
【半導体】TSMCの3nm、米4社が2025年分まで買い上げ アップル・Nvidia・クアルコム・AMD 台湾報道

中国・台湾市場調査ならEMSOneにご用命ください。台湾のシンクタンク、TRI社との共同調査にて、最新の情報をお届けいたします。 先ずはこちらまでご相談ください。

※EMSOneでは日系企業様に向け、コストダウンに向けた各種アウトソーシングサービスの提案を行っています。EMS或いはODMを通じたコストダウンについては こちらをご覧ください。